Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

柊りおん〜体・神経に傷がないのに「痛む」原因とは?〜 NO.258

皆様こんにちは。

かなりお久しぶりですが、いかがお過ごしでしょうか。
メルマガをお休みしていた間も皆様からメールを頂けたりして
私も大変嬉しく拝読しました。
どうもありがとうございます!
さて、前回は私がぎっくり腰になった事を書かせていただいたので
今日のトピックも少しその延長で書きたいと思います。
痛みの中でも、「傷がないのに痛い!」と言う不思議な痛みについてです。
「痛み」の種類は、今まで2つに分類されてきました。
1.ケガや炎症で組織が傷つき、痛みの信号が出る【侵害受容性疼痛(とうつう)】
2.手術や事故、脳卒中などで神経が損傷して起きる【神経障害性疼痛】
この他に、痛む原因を調べても何も見つからない痛む症状に、やっと昨年秋に【痛覚変調性疼痛】という名前がつきました。
【痛覚変調性疼痛】は、痛みへの恐怖や不安、怒りやストレスが原因となり
神経回路が変化して痛みを長引かせ、痛みを悪化させていると言われています。
(脳科学的に言うと、扁桃体(へんとうたい)と言う部位が活性化している状態)
この【痛覚変調性疼痛】には、線維筋痛症・過敏性腸症、慢性腰痛などが含まれます。
どれも大変辛い症状ですね。
しかし、「脳」が痛みを作り出しているため、従来の投薬ではあまり効果を得られません。
そこでポイントとなるのが、「脳」をうまく活用する事です。
基本的には主治医の指示に従うことになりますが
「動かしても大丈夫」と信じて、動かすことで改善が期待できます。
この際に大変役立つのが、前回も少し解説したマインドフルネスネスです。
まずは、痛みを観察し、拒むのではなく受け入れるイメージを持ちます。
この時、呼吸を深くゆっくりに切り替えるだけで、痛みが緩和するケースもあります。
そして痛みを感じない場所に意識をむけ、徐々に意識の大半を痛みを感じない場所に向けていきます。
また、マインドフルネスは脳の前頭前野を活性化するため、シーソーの関係で扁桃体を鎮静化させます。
実際海外では、慢性腰痛の治療に認知行動療法を取り入れて効果を上げています。
この「脳が作り出す痛み」についてはまだ治療法を模索している段階ですが
「これは自分の脳が痛みを作り出している」と捉えられれば、痛みと距離を置くイメージを持ちやすくなりますね。
なかなか理解し難い部分もあると思いますが、私も実際にこの方法を使って強い痛みを克服した経験が何度かあります。
ポイントは、恐怖を乗り越えて「動かす」事です。
脳は自分の味方にもなれば、苦しめる原因にもなってしまうのですね。
怒りやストレスといった心の痛みが、実際の痛みとして出てくるのも厄介な所です!
それでは、2022年も皆様にとって良い年となるようお祈りしています。