Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

〜捨てるべき物を捨てられない理由【保有効果】〜 NO.256

皆様こんにちは。

 

前回は

【損失回避(失う辛さは、得る喜びより大きく感じる心理)

について解説しました。

 

この心理バイアスを克服するには

『捨てようとする物(&環境)を無料でもらっても、まだキープしたいか』

と考えてみる事が大切なのでしたね!

 

今回は、これから大きな選択に直面するかもしれない皆さんに

もう1つ知っておいて頂きたい超絶大切な心理バイアス

【保有効果(endowment effect)について解説します。

 

最初に言っておきますが

この【損失回避】と【保有効果】の仕組みを知っているだけで

他の人が感情に引っ張られて不合理な選択をする一方

あなただけは事実に基づいた合理的な選択をする事ができます。

 

【保有効果】とは

 

「自分が持っているもの、人間関係、社会的地位などを

実物の価値よりも高く見積もる心理」です。

 

平均して、実際より約2倍高く見積もると言われています。

 

例えば

 

浮気性&浪費壁のある恋人も実際の2倍良く見えるし

ただ働きさせられるアルバイト環境も、実際の2倍良く見えるのです。

 

このように保有効果の心理が働くと、何が起きるでしょう?

 

「今手放そうとする物の2倍の価値(環境)を手に入れられないと確証できない限り、捨てるべき物を捨てられない」

 

という状況になってしまうのです。

 

だから、浮気性&浪費癖のある恋人とも惰性で関係を続けてしまうし

ブラックな労働環境に甘んじて転職をしぶってしまうのです。

 

【保有効果】には即効性があり

「手にして1時間程度で」

その価値を倍に見積もる心理が働きます。

 

所有している期間が長ければ長いほど

埋没費用(サンクコスト)という

「自分が今までそれにささげてきた労力や時間」

も加わり、余計手放すのが惜しくなってきてしまいます。

 

では、どうやったらこの【保有効果】から逃れられるのでしょうか?

 

それは

 

【自分はAを持つことを、代わりにBを持つことに比べて

どれほど強く望んでいるか】

 

と、「既にどっちも持っている」

という前提で比べてみるのです。

 

皆さんはこれから結婚する方も多いと思うので

もう一度さっきの例で考えるなら

 

「『浮気性で浪費癖のある夫』と、『実直で堅実な夫』のうち

どちらか1人選べるなら、どっちを選ぶか?」

と考えてみるのです。

 

ダメダメパートナーと別れられない人のほとんどが

この【損失回避】【保有効果】

【埋没費用(こんなに尽くしたんだから今更別れるのはしゃくだわ!という気持ち)

にがんじがらめになって、自分を幸せから遠ざけているのです。

 

パートナーシップだけでなく

日常のいろんな選択に関わってきますよ。

 

繰り返しますね。

 

【保有効果】の心理バイアスを駆逐するには

「選択肢Aと選択肢B、両方すでに持っていたらどちらを選ぶか」

と自分に問いかけなければいけません。

 

前回と今回紹介した内容は

「行動経済学」という学問領域になります。

行動経済学は知っておくと本当に人生の役に立ちますので

興味があれば勉強してみて下さいね。

 

 

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編集後記

 

将棋の藤井聡太さんが、あと少しの期間を残して高校を中退しましたが

彼は合理性の極みで生きている人だと思います

 

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