Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

〜1万3千円で「8時間」買いますか?〜 NO.240

皆様こんにちは。

今日の記事も長いので、興味のある人だけ読んで下さい。

 

 

今年のゴールデンウィークは10連休。この時期を利用してテーマパークに行く方も多いと思います。そこで気になるのが混み具合。今回はUSJのエクスプレスパスを例に取り、「お金で時間を買う」選択をすべきかどうか考えてみます。

 

 

ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)は、20191月からスタジオパス(入園券+アトラクション券)の価格体系が変更されました。以前は一律7900(大人)でしたが、現在は、「混雑期は高く・閑散期は安く」設定されていて、値段は3ヶ月前に公式サイトで告知されます。

 

 

私が行った3月下旬はかなりの混雑期だったため、スタジオパスは8,200(大人)でした。これだけでもかなり高い印象を受けます。そして今回考察する「エクスプレスパス」は、これに上乗せして払う「待ち時間短縮チケット」です。

 

 

エクスプレスパスは種類がたくさんあり、乗れるアトラクションの個数によって「Eパス347と分かれていて、さらに「何を」メインに乗りたいかによってもパスの種類が変わってきます。こちらも混雑期は値上がりし、私が行った日は「Eパス4」が13,200(大人)。スタジオパスと合わせると、なんと大人11日遊ぶと21,400円にもなりました!

 

 

  優先すべきはお金か時間か★

 

さらに上の「Eパス7」を選ぶと、大人2人が1日遊ぶだけで数万円が吹き飛ぶ計算になります。大してテーマパークが好きでもない私は、ここで悩みました。

 

 

(1日遊ぶだけでこんなにお金をかける必要があるのか…!?)

 

 

ここで頭に浮かぶのが、「機会費用」という考え方です。

「機会費用」とは「そのお金と時間で、代わりに何ができたか」考えること。

 

 

Eパス二人分の料金(26,400)が浮けば、代わりに何ができるのか。毎朝美味しいパンが焼けるバルミューダのトースターも買えますし、気になっていた服も買えるかもしれません。美味しいディナーも満喫できるでしょう。

 

 

一方、Eパスを買えば、気が遠くなるような待ち時間を大幅にカットする事ができます。例えば現在大人気の「ルパン三世カーチェイスXRライド」は、最悪240分という途方もない待ち時間を覚悟しなければいけませんが、Eパスを使えば15分ほどで乗る事ができます。大人気のハリポタ「フォビトン・ジャーニー」も、私が行った日は150分の待ち時間が表示されていましたが、Eパスを持っている場合、待ち時間が「0分」でした。

 

 

  「確実に2倍のリターンがある」と確信できないと決断できない★

 

 

私達が何かを選択する時は、「お金をかけた場合とかけない場合」のそれぞれ得られるものと失うものを天秤にかけています。ここで気をつけなければいけないのは、私達の心は「いつも不合理」という点です。

 

 

その大きな特徴の1つが、「損失を過大評価する」という特徴です

 

この「失う辛さは得る喜びより大きく感じる」という心理は、専門用語で「損失回避」と呼ばれます。具体的には、お金や物を手放す(損する)ことは、同じ価値の物を得るより約2倍痛く感じるのです。

 

 

ですので今回の場合、Eパス4」の倍の値段(26,400)に匹敵するリターンが得られるという確信がない限り、この値段を払うのを躊躇してしまいます。難しいのは、USJで得られるのは「体験」ですから、行った事がない状態でこの選択に直面しても、なかなかその価値を想像できない点です。

 

 

ここで参考になるのが「幸せになるお金の使い方」です。統計的に幸せになるパターンは決まっていて、その1つに「思い出になる事(旅行など)にお金を使う」という項目があります。

 

 

これは、「物」の価値は手にした瞬間にその価値が下がりますが、「思い出」は人と比較もできないため、時が経つに連れその価値が上がるという訳です。この理論にのっとると、何か物を買うより「Eパス」に費用を充てた方が幸福度は上がるという事になります。

 

 

  Eパス4」で結局どれだけ乗れたのか★

 

 

繁忙期はゲートオープンが早まるという情報をつかんでいたので、8時半の公式オープン時間に対して私達は745分にゲートに行きました。するともう凄まじい人の群れ。人気の「Eパス」は既に朝の時点で完売です!

 

 

入園後はEパスでカバーできなかった「ミニオンライド」に向かい、40分ほど並びました(このライドも混雑時は120ほどの待ち時間になります…)。そこから工夫して乗り物10個を体験し、ショー2つを見学できました。もしEパスがなければ、人気のライドを3つほど乗った所で時間切れだったでしょう。

 

 

大雑把な計算ですが、私達が園にいたのは12時間ですから、1あたり約8時間の待ち時間を、13,200円出してゼロにした事になります。

 

 

この経験から、私がご提案できる結論はこうです。

 

「年間パス」を持っていたり近くに住んでいて、頻繁にUSJに行ける人はあえてEパスを買う必要はなし。いっぽう、「USJに行くのは何年かに一度」という人は、絶対にEパスを予約すべし(予約しないと売り切れる場合があります)

 

 

かなり強気な値段設定ですが、思い出と時間を買うのに13,200円というのは妥当なのでしょうね(高いけど...)。

 

 

お金と時間。悩ましい問題ではありますが、お金で時間を買うのは賢い選択のように思われます。皆様、素敵なお休みを過ごされて下さい。

 

 

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編集後記

 

10連休じゃなくて、6月とかに3連休2回作ればいいのに。

と個人的に思っております。