Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

〜マインドフルネスで無理なくダイエット〜 NO.222

皆様こんにちは。

 

秋は気候も穏やかで、美味しい食べ物がたくさん!つい食べ過ぎてしまう季節ですね。もし体重が増えてしまったら、ストイックな食事制限の代わりに「マインドフルネス」をダイエットに取り入れてみませんか?

 

私達は普段、テレビを見ながら、おしゃべりをしながら「意識せずに」色々な物を食べています。それを一度止めて、「食べる行為」そのものに意識を集中させるのが「マインドフルイーティング」です。「食べる瞑想」とも呼ばれています。先週テレビでも紹介されていたので、こちらにもまとめますので興味のある方は参考にしてみて下さい。

 

欧米で「食べる瞑想」のレッスンでよく登場するのが、レーズンです。例えば、マインドフルネスを先駆的に研究しているマサチューセッツ工科大学では、13粒ずつレーズンを配り、1粒ずつ食べてみるというワークを行います。

 

方法はとてもシンプルです。まず、食べる前に「生まれて初めてレーズンを見た!」という感覚で、レーズンを観察しています。どんな形か、色か、固さか、匂いはどうか、などです。

 

そしてゆっくりと1粒目を口元に運びます。その時、レーズンを持った自分の腕や指はどう動いているでしょうか。口元に運び、レーズンを舌の上に置くと唾液はどうなりますか。ゆっくりと味わい、1粒のレーズンをゆっくりと噛みしめます。十分噛んだら、飲み下す時の完食を確かめながら飲み込みましょう。

 

食べている途中、このレーズン1粒作るのにはどれほどの人が関わっているかに思いをはせてみます。農場の人、レーズンを運ぶ人、道路を作る人、お店に並べる人など、果てしなく多くの人が関わっている事にも気付きます。レーズンに全身全霊で注意を向ける事が、ありふれた経験や行動をどれほど豊かなものにしてくれるか感じてみましょう。

(*食べる時は、目を閉じて味わってみて下さい!)

 

こうして「食べる前」と「食べる行為」に少し距離を持ち、様々な感覚に注意を払うと、「衝動性」を抑えられてドカ食いも防止してくれます。実際、「食べる瞑想」を実践しながらチョコレートを食べた被験者は、そうでない被験者よりチョコレートを食べる個数が減少しました。

 

マインドフルネスの脳や体への効果を研究している名古屋大学の大平英樹教授によると、脳はシュミレーションをして「味」を予測し、実際に口に入った感覚刺激と照らし合わせて味を感じているので、この感覚刺激に注意を向けると信号がシャープになるのだそうです。するともともと持っていたチョコレートの味の予測と、実際の「濃い」感覚にズレが生じ「もう十分かな」と感じるようになります。

 

太っている人や食べ過ぎの人は、「外発反応性」に注意しなければいけません。「外発反応性」とは、「外からの刺激で食べたくなる」いわばバーチャルの食欲です。例えば、「おなかが空いていないのにお菓子の袋を見たら食べたくなった」とか、「夕方19時になったと分かった途端にお腹が空いた」などです。「食べる瞑想」は、自分の体をじっくりと観察する事で、この「外発性反応」も和らげる事ができます。

 

「食べる瞑想」の一番いい所は、「無理がない」という点です。「食べちゃダメ!」というストレスはなく、「食べる」という行為をじっくり観察し、満足感を得つつ健康的な食事量に戻して行く事ができます。今までリバウンドを繰り返してしまっている方は、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。