Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

〜 No.168 金融庁がお勧めしない2つの投資信託〜

皆様こんにちは。

 

会社勤めの方はボーナスの支給もあり

それを元手に資産運用を考える方も多いのではないでしょうか。

どの投資信託を買うのもその方の自由なのですが

今回はご参考までに金融庁がお勧めしない

2つの投資信託タイプをご紹介します。

 

何を持って「お勧めしない」かというと

来年1月から始まる積立型の少額投資非課税制度(積み立てNISA)

に関する内容からです。

 

積み立てNISAというのは

積み立て投信で生まれた利益を20年間非課税にする事で

資産形成の効率を上げるために作られた制度。

現在公募型の投資信託は約5400本ありますが

ここから金融庁のふるいにかけられた約50本のファンドから

希望者は自分で積み立て商品を選び運用する事になります。

 

つまり

「選ばれなかったファンドの特徴=金融庁がお勧めしないファンド」

という事になります。

結論から言うと、金融庁がお勧めしないファンドの特徴は次の2つです。

 

①アクティブファンド

②毎月分配型ファンド

 

 

まず①から。

 

アクティグファンドというのは

ファンドマネージャーが自身の腕で商品を売り買いして

利益を出す事を目標にしているファンドです。

なので、運用者の力量がかなり問われます。

手数料も割高です。

プロが運用するので一見投資効率が良いように思われますが

行動経済学などの検証で、実はそうでない事が分かっています。

プロのトレーダーが株を売買するのと

猿がダーツを投げて売買をする運用成績を比べても

実はほとんど差がありません。

 

中には投資の天才もいるでしょうから

運良くそういうファンドマネージャーを見つければいいのでしょうけど

至難の業です。

 

 

これに対してインデックスファンドは

「日経平均」などの指数の構成銘柄に同じ割合で投資するので

ベンチマークと同じ運用成績になります。

株だけでなく債券など内容も様々で、手数料は割安です。

 

このような状況なので

金融庁のふるいにかけられたファンド候補の約50本のうち

アクティブファンドはわずか5本になる見込みだそうです。

 

ファンドをふるいにかける際

「毎月分配型」の投信もはじかれます。

分配金は銀行の利息と同じと勘違いしている人が多いのですが

ただ単に元本を切り崩しているだけなので資産形成には不向きで

かつ分配金が支払われるたびに税金が引かれます。

 

投資は複利効果によって資産を殖やすべきですが

その効果も望めません。

でも日本では未だに毎月分配型が大人気です

これは行動経済学でいう「双曲割引(そうきょくわりびき)

に関係しています。

 

私たちの「今すぐもらえる!」という

目の前のご褒美に飛びついてしまう心理です。

 

このプロセスを経て50本に絞られるのですが

個人的にこれでは候補が多過ぎると思っています。

 

なぜかというと、「人は多過ぎると選べない」のも

研究から明らかになっているからです。

できれば、「7プラスマイナス2」

つまり、毛色の違う分野からそれぞれ12ファンド位。

5〜9本に絞ってあげないと

国が一番積み立てを始めて欲しい人達はほとんど腰を上げない

と予想されます。

 

30代・40代のうちから

金融の知識や実践を身につけておくのはとても大切です。

ただ、積み立てNISA

ファンドのスイッチングができないデメリットがあるので

ご自身の投資ポリシーと合わせてよく考えてられると良いでしょう。

 

個人的にスイッチングができないのはデメリットと考えているので

もし自分で選ぶ自信がない方は

金融庁が絞った50本のファンドの中から

リスク許容度に合わせたファンドを買えばいいのでは? 

と思ってしまいます

 

 

【参考文献】

「選択の科学」文藝春秋 シーナ・アイエンガー

 

 

 

 

 

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編集後記:

 

先週、私のファイナンシャルアドバイザーでもあり、5月に開催した

「お金×心理学」講座にもご登壇頂いた先生と面談してきました。

今回投資する商品のファクトシートの”who should invest”の覧に

“Investors seeking a hedge against any rand depreciation”

(ランド安のヘッジをしたい方向け)とあり、ここが引っかかっていたので

質問した所、南アの政治状況を含めてすごく分かりやすく解説頂きました。

来年6月初旬の土曜日に同講座を開催予定で、再度先生にもご登壇頂きます。

参加される方は、ぜひそれまでにご自身でも無理のない範囲で金融や経済を

勉強してみて下さい。

 

再受講を希望される方は、気になる株価の定点観測など

できる事から日常生活に取り入れていきましょう。