Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

柊のメルマガ   ~No.97 あえて、落ちるナイフを掴んでみる〜

皆様こんにちは。

いつもは週末に発行しているメルマガですが

昨日は20年ぶりにスケートに行ったら

真田丸を見た後、疲れて寝てしまいました

 

さて、今回のメルマガの「落ちるナイフ」ですが

株式相場のこんな言葉から来ています。

 

『落ちるナイフを掴んではいけない』

落ちるナイフ=下落トレンドの真っ最中

という意味です。

 

落ちているナイフを途中で掴もうとすると

柄ではなく刃を掴んで怪我するので

ちゃんと床に刺さってから

(=市場が底を打ってから

=上昇トレンドに変化してから)

掴みなさい、という教えです。

 

私は投資を二十年近く続けています。

だから、この言葉は間違いだと言いたい()

 

つまり

先が完全に見えてから行動するのでは

チャンスを逸するのです。

(特に個人は)

 

例えやすいように、もう少し最近の相場の話をします。

原油価格の暴落や、中国の景気減速で

年明けから日経平均はたった3週間で

2500円も下落しました。

 

これは昨年八月の暴落時に非常に似た形だったので

私は17000になった時点で底を打ったと判断し

日経レバレッジETFとトヨタ株を購入してみました。

でも、全然底じゃなかったんですよね()

そこから日経は、更に1000円落ちました。

 

デイトレーダーの人達は

ある程度損失が出た時点で「損切り」するのですが

私は基本月〜年単位のスタンスなので

損失が出ても少し様子を見る事にしました。

 

すると、いきなりの「マイナス金利」発表。

(個人的にこれがいいか悪いかは微妙と思いますが)

 

そこから一気に為替と株価は反転したのです。

 

この時、『底を見極めてから買おう』としていた人達は

こういう心理が働きます。

 

「あの時(=底)からこんなに高くなってるから

 今更買うのは損する気がする。また落ちた時に買おう」

それで、チャンスを逃してしまうパターンが多いです。

 

でも、今原油相場や世界中の株式相場を動かしているのは

人工知能を駆使したヘッジファンド。

彼らが欲しいのは『ボラティリティ(変動率)』。

つまり、急激な動きが大好きなのです。

 

なので、トレンド転換すると

あっという間に値上がりしたり値下がりしたりするので

個人投資家は波に乗り遅れます。

 

これは、投資だけでなくて

人生のあらゆる決断に言えると思います。

 

「この道が安全か、完全にゴールまで見通せてから動こう」

と思っている人は、絶対に一歩を踏み出せません。

 

大体、ゴールが10km先にあるとしたら

目先500m位見通せたら、スタートした方がいいですね。

 

なぜなら、将来なんてどんな人でも予測が不可能だから。

相場や世界各国の経済事情の予測にしても

超一流の専門家と、ズブの素人が勝手に予測するのと

どっちが当たるか分かりますか?

 

実は、当たる確立はほぼ同じなのです。

 

例えば、先週の週刊誌の見出しはこんな感じ。

 

週刊ポスト

『わずか半年で株価23000円大反騰!

 三菱UFJ国際投信が出した衝撃レポート!』

週刊現代

『激震!株価14000円割れへ!

 日銀内部資料を入手!』

 

これがちょうど新聞の見開きページに載っていたので

かなり笑えました

 

だって、どちらも専門家が徹底的に分析しているんですよ。

 

なぜ専門家の予測が当たらないのか?

ダニエル・カーネマン教授の言葉を借りると

「複雑な情報をとりまとめて判断しようとすると

人間は救いようもなく一貫性を欠く」

からです。

 

行き先を完全に見通そうとするのは

巡って来たチャンスをフイにする確立が

とても大きい、という事を

覚えておいて損はないと思います。

 

参照:『ファスト&スロー()』早川書房 ダニエル・カーネマン

 

□■──────────────────────────□■

編集後記:

 

人生でスケートするのは3回目でしたが

今まで何で滑れなかったか考えたところ

スケート靴の紐の締め方が全然ダメだったんですね!

春までにもう少し通って、スイスイ滑れる様になりたいです。

ちなみに、スケートは意外とダイエットに良いそうですよ!