Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

間違った褒め方をすると、逆に子どもの能力が低下?

私が書かせて頂いている、日本アンガーマネジメント協会のブログからご紹介いたします。

 

子どもの能力を伸ばそうと思って、できる限り褒めて育てている親御さんはとても多いのではないでしょうか。でも、実は褒め方によって、思わしくない結果をもたらしてしまう場合もあるそうです。今回は米国の"Journal Child Development"に掲載された記事をレポートします。

 

研究者によると、①「個人的な性格・特性」を褒められた子どもは、困難な出来事に直面した時、問題に向き合って解決しようという気持ちが少なくなりがちで②「努力をした過程」を褒められた子どもは、逆境に打ち勝とうとする気持ちがより強くなるそうです。

 

もう少し具体的な例で言うと、子どもが何か難しいタスクを終えたあと、①は「君はなんて頭がいい子なんだ!」と褒め ②は「本当に一生懸命取り組んだね」と褒めます。他の例も見てみましょう。①「ママのためにこんな素敵な絵を描いて、本当にいい子!」②「楽しく絵を描いたんだね!」といった感じです。

 

どちらもポジティブな響きですが、①の何が問題なのでしょう?

 

テンプル大学のエリザベス助教授によると、②の「プロセスを褒められた」子どもは「努力や行動が成功の鍵だ」と感じるのに対し ①のように「個人的な褒め言葉」をもらうと、「あなたの能力には限界があるのよ」というメッセージにもなり得るとの事です。

 

「勇気づけの心理学(岩井俊憲2011)」の言葉を借りると、①が「勇気をくじく言葉」②が「勇気づける言葉」となります。

 

①は子どもの結果を評価するのが「親」であり、その言葉によって子どもは自分はどういう人間なのか、というレッテルを自分自身に貼りがちになってしまいます。また、「親の期待に応えて初めて自分は認められるんだ」という思いを子どもに抱かせてしまう可能性もあります。一方②は、子どもが自分で取った行動を褒めており、主体はあくまで子ども自身です。
     
普段褒め方まで意識するのは少ないと思いますが、せっかく褒めるなら、より子どもの能力を伸ばせる言葉掛けをしてあげたいですね。


(英文記事URL)
http://goo.gl/JldQi