Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

〜 No.148 トランプ大統領も使っている!?『アンカリング効果』〜

皆さまこんにちは。

 

今回は、トランプ大統領の交渉術を分析したいと思います。トランプ大統領、就任前からびっくりするような公約や大統領令を出していますよね。

 

今回はその中から『中国製品に45%の関税をかけてやる!』というのを取り上げたいと思います。関税45%!?聞くだけで何かスゴい値です。どれだけありえない値か、下記中国から日本に輸入する場合の関税率と比べてみて下さい。

 

・衣類 → 約4%13%

・時計や美術品、化粧品等 → 無料

・アルコールを除く飲料 → 無料〜13%

・車 → 無料

 

まぁ、大抵どこの国とのやり取りでもこんなもんです。

 

ここにきてトランプ大統領は「45%の関税!」とぶち上げているという訳。

 

ちなみに、「中国から安いものが入ってくるのが嫌だ!」という言い分ですが、この関税率が実施された場合、一番困るのはアメリカです。「国内のインフレ&中国の対米輸出が39%減少→中国の経済が衰退→回り回って米国の景気も世界経済も衰退」というシナリオが現実的ですし、最悪貿易戦争ですよ。

 

じゃあ、本当に45%の関税を実施するのか?というのが今日のポイントです。

 

トランプ大統領、自分でもこの関税率は「ふっかけ過ぎだ」と思っているでしょう。というのも、トランプ大統領は『交渉人』なんです。

相手をビビらせて、譲歩を引き出すプロなんですね。

 

ここで今回、トランプ大統領が使っているのが『アンカリング効果』という心理だと思われます。

 

『アンカリング効果』というのは、ある特定の数字(情報)がアンカー()となって、それが正しくとも間違っていても答えに大きな影響を与えることです。

 

例えば、次の二つの質問の答えを比べてみて下さい。

 

①「世界一高いアメリカ杉の高さは360mより高いでしょうか?低いでしょうか? ちなみに何mだと思いますか?」

 

→ 答えてみましょう!

 

②「世界一高いアメリカ杉の高さは54mより高いでしょうか?低いでしょうか?

 ちなみに何mだと思いますか?」

 

→ 答えてみましょう!

 

②の方が、低い答えになりませんでしたか?

 

これは、実際に調査したデータがあります。

 

①の答えの平均値は253m

②の答えの平均値は84m

 

同じ「世界一高いアメリカ杉」について聞かれているのに、その前にどんな「アンカー」が与えられたかで、自分が正しいと思う答えが変わってしまうのです。

 

今回の場合、差は実に168mにもなります。

 

この2つの答えの差を比率で表したものを、『アンカリング率』といいますが

今回の場合、なんと55%もあるんですね。

 

アメリカ杉の例だけではなくて、他にも不動産の価格から、裁判官が量刑を何ヶ月にするかに至るまで、その多くのアンカリング率が50%になるのです。

 

ということは、トランプ大統領が実際にかけたい関税は『45×0.5=22.5%

あたりなのではないでしょうか?もちろん、品目によって差は出て来ますし、これは私の勝手な推測ですよ。

 

だって、中国側にしたって「最初言ってた45%から比べたら、22%ってちょっと低く見える......」って思う訳ですよ。

このあたりでネゴシエーションが始まるのではないかと思っています。

 

ちなみにトランプ大統領がうまいのが、(それが良いか悪いかは別として)まずは「先手を打って」いることです。

 

交渉事は、先手を打った方が有利になります。じゃあ、後手に回った方は泣き寝入りか?というと、これも対策があります。

 

それは『アンカーとなる数字を聞いたときに、断固拒否するかのように首を横に振る』のです!!

 

子供騙しみたいな方法ですが、こう指示された被験者はアンカーから離れた数字を見積もりました。逆に、これをしなかった被験者は強いアンカリング効果を受けてしまったのです。

 

日本側の交渉人には、トランプ大統領が対日政策で無茶を言ってきたら、思い切り首を横に振ってほしいところです。

 

 

 

【参照】

『ファスト&スロー()』早川書房 ダニエル・カーネマン

http://www.recordchina.co.jp/a162440.html

https://iobc.jp/chinakanzei/

 

 

 

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編集後記

 

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